クールスを潰しに代々木公園に出かけたルート20カークラブ3代目総長
遠藤夏輝がクールスのあまりにも凄いオーラに圧倒され、潰すどころか「自分もクールスのようなバイクチームを作ろう」と決心までしてしまうほど衝撃を受けたクールス。
それ以来、クールスのメンバーには再会をしていなかった遠藤夏輝が、運命のいたずらともいうような再会を次から次へと果たすことになる。
カフェドロペでは岩城滉一と玉川雅已と再会した遠藤は、バイト先のガソリンスタンドで
ピッピと衝撃的な再会を果たしたのだった。
さて、この記事ではピッピから誘いを受けた遠藤夏輝がバッドエンジェルスのメンバーを連れ、芝の郵便貯金ホールで行われるクールスのライブに行った時起きた出来事である。
楽屋に訪れた遠藤夏輝はの驚愕な光景を目の当たりにする。
驚愕な光景とはいったいどんな光景だったのだろうか?
時間の許す限り見てもらえればなと思います。
クールスの楽屋を訪ねた遠藤夏輝が見たっ驚愕な光景とは?
俺は石川などメンバーを集めてピッピさんと偶然再会を果たし、クールスライブの招待されたことを告げた。
メンバーも岩城滉一さんと玉川雅已さんに会ったばっかりの余韻がまだ忘れられないのか
「ウォー本当ですか。クールスの皆さんに会えるんですか」と興奮を隠せないようだった。
メンバーに会えることを考えると、居てもたっても居られないのは俺だけでは無く隣りの石川も同じようだった。
緊張にどっぷりとつかりながら、俺達は芝の郵便貯金ホールについた。
係りの者に取り次いでもらい、二人だけという条件で控室に通されることになった。
他のメンバーには悪いと思いながらも俺と石川は控室に招かれた。
ライブ前ということもあり、メンバー一人一人が忙しく何かをやっていて
紹介しているピッピさんの声が届いているかが分からないようだった。
俺と石川はそんなメンバーをぼんやりと眺めているだけだった。
代々木公園ではクールスのメンバーが誰が居て誰が居なかったのかはよく分からなかったがジェームスさんだけはよく覚えていた。
日本人離れしたあの顔立ちは眼に入らない方がおかしいくらいだ。
そんなことをぼんやり考えていたら、「Badっていうんだから、やっぱ悪いんだな」と。
ジェームスさんがこっちを見て苦笑いをしている。
俺は心の中で、ジェームスさんだけには言われたくないなと思いながらもなんて返答したらよいのかわからなかったので、あいまいなほほえみを浮かべて見せた。
「ジェームスっつんだ。ヨロシクな」
「よろしくお願いします。バンドエンジェルスの遠藤です」
「あれ、前はルート20だったよな。辞めたのか?」
「はい、辞めました」
「そんなこともあったよな。お前らだったんだ」と。
袖を切った赤と黒のボーダーシャツを着て起用にドラムのスティックをくるくるとまわしながら佐藤秀光さんが訊いてきた。
二の腕の太さが自慢らしいヒデミツさんはこれ見よがしに腕を出していた。
「バッドにバットか」と今度はピッピさんと同じボーカルをやっているムラさんが口を挟んできた。
ムラさんの頭を見てビックリ。リーゼントではなく丸坊主になっているではないか。
佐藤秀光さんと村山一海さんは代々木公園の時は居なかったような気がした。
「仕事は何やってんの?」とムラさんが訊いてきた。
「ガソリンスタンドでバイトしています」
「ガソリンスタンドか。どこの?」
「千駄ヶ谷です。明治通り沿いのところの」
「おー24時間やっているところか」
「はい」
「じゃー今度寄らせてもらうわ」
「はい・・・」
「ヘルズエンジェルスみたいじゃん」と。
サイドギターのフランクが話しかけてきた。
「確か、フランクは俺とためのはず」と思っていたので「意識してんだけど」と話しかけてみた。するとフランクは微笑で返してくれた。
ベース担当の大久保喜市さんと目が合うと、微笑んでくれた。
ベースマンらしく無口のようだ。
クールスの楽屋で遠藤夏輝が感じたこととは
そんなやり取りをしながら俺と石川は奥の方をぼんやりと見つめた。
「あ!あそこにいるのは!?」
奥の椅子に座っていたのが舘さんだとわかった。
舘さんは背を向けて座っており、人を寄せ付けないオーラーを出しながら座っているではないか。
俺はこの控室に入った時から何か違和感を感じていた。その違和感が何だったのかが分かった瞬間だった。
耳元で石川が「なんで舘さんだけあそこに座っているんだ。遠藤」と囁いた。
この光景を見たときに何か嫌なものを感じた。
同じ控室に違うグループが居る居るような光景だった。
スタッフメンバーはリーダー舘ひろしに気を使っているが、バンドメンバーは底に舘ひろしが居ることさえ、無視をし相手にしていないという雰囲気だった。
俺は舘ひろし対バンドメンバーということを肌身に感じていた。
ピッピさんだけがリーダーとして舘さんを慮っていてその場を分かっているように見えた。
「遠藤、まだ大将に挨拶してねえだろう」と呼んでくれた。
「はい」と恐縮しながら俺と石川は舘さんの前に立った。
代々木公園の時もそうだったが、舘さんから放たれているカリスマオーラは半端ない。
俺は直立不動のままになったしまった。
「ご無沙汰しています。遠藤です」と。
「久しぶりだな。元気だったか?」
「・・・元気でやっています」とこ遅れしながら答えた。
「ルート20辞めて、バイクチームを作ったんだってな~」
「はい、バンドエンジェルスというバイクチームを作りました。これからよろしくお願いします」と首を垂れた。
舘さんはチラッと俺の後ろにいる石川に目を移した。
「コイツは俺の親友でサブリーダーの石川です」
「石川です。よろしくお願いします」と緊張しながら挨拶。
「今度、事務所に遊びに来いよ」と言いながら微笑んでくれた。
「ライブ見させてもらいます。頑張ってください」
「OK」と。
最後の挨拶を済ませた俺と石川は控室を出てメンバーが待っているところに向かった。
俺と石川は何とも言えない違和感を覚えていた。
しかし、俺にはクールス内で起こっていることはわかる由も無かった。
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