僕のブログでは1975年4月13日にキャロルラストコンサートの護衛を見事に努めぬき
その出で立ちのカッコ良さと振る舞いのカッコい良さからたちまち若者に認められ
バンドとしてメジャーデビューを果たすことになったバイクチームクールスについて
独自な観点から取り上げ記事としてお届けしております。
僕のブログの特徴は史実に忠実にを大前提に記事を書いている点です。
インターネット上に転がっているような薄っぺらな情報ではなく、クールスのメンバーが発信していることで尚且つ、複数人が発信していることだけを取り上げているのです。
なぜなら、一人の発信だけではとかく独りよがりになって偏った情報になることが多々あるからです。それを防ぐために複数人が言っていることだけを取り扱っているわけです。
それでも100パーセントとは言えないまでも限りなく真実に近い事実ということで取り上げているのです。
さて、今回取り上げるのはバイクチームクールスの中から選出されたメンバーでメジャーデビューすることになったクールスであったが、なにわともあれ黒の軍団と言われたクールスのメンバーでもこと音楽に関しては素人軍団。唯一ジェームス藤木だけが経験をしているというのがから始末が悪い。
そんなクールスのメンバーの初のレコード録音風景をお届けします。
クールスメンバー初めてのレコーディング|とんでもない光景が!
来る日も来る日も練習に次ぐ練習に明け暮れ、レコード録音の日を迎えていたのであった。
場所はキングレコードのスタジオ。
クールスのメンバーは一人一人が緊張しているようであった。
バンドクールスのメンバーを横目に見ているスタッフのクールスのメンバー達。
その緊張は頂点に達し、見ている方まで緊張を感じるほどであった。
その緊張を切り裂いて一人男がスタジオに入ってきた。
「おはよう」矢沢永吉である。
髪をぼさぼさにした矢沢永吉はスリあせたブルージーンズに赤いジャケットを羽織っている。ステージで見る矢沢永吉とは全く違った雰囲気であった。
「ウィーっす」メンバーが挨拶をした。
「久しぶり」という声に反応したプロデューサーチェアーに座っていたジョニー大倉が椅子を回して矢沢を見た。「ああ、元気?」矢沢永吉は思わぬ相手に出くわして戸惑いを見せた。気まずい空気がスタジオに流れる。
ジョニー大倉と矢沢永吉の不仲は聞いていた。
キャロルを解散してからは二人はソロ活動を別々にしていた。
二人の雰囲気を見ていて俺は解散コンサート以来「この二人は会っていなかったんだ。それ以来、今日が再会したんだ」と感じていた。
いつだったかよく覚えていないけど、ムラさんかジェームスさんから二人のことを聞いたことがあった。
「喜市、ジョニーと永ちゃんはその後全然連絡を取り合っていないらしいぜ。その上、キャロルのスタッフも永ちゃん側に付いた連中とジョニー側に付いた連中がいるようだ」と。
そんなことを聞いたことを思い出していた。
「それにしてもこの気まずい空気は何なんだ。俺はちょっと引いていた。二人の相いれない頑固なところがあることだけは読み取れた」
ジョニー大倉は心が折れた。そして・・・
そんなことを思っていたらジョニーが口を開いた。
「じゃーここは作曲者のイメージもあることだろうからお任せするかな」と。
プロデビューサーチェアーを立ち上がり対面にあったソファーに腰を下ろした。
間髪入れず「OK」と言いながら矢沢永吉がプロデューサーチェアーに座った。
ここキングレコードのスタジオではキングレコードと契約したクールスのメンバーがジョニー大倉のプロデュースのもとデビューアルバム「黒のロックンロール・クールスの世界」のレコーディングをしている所だった。
曲はジョニー大倉、矢沢永吉、近田春夫、四方喜朗、ジェームス藤木が書き、作詞は舘ひろしがつけた。
紫のハイウェーのリズムトラックを聴いてみますが?と佐々木寛が口を開いた。
佐々木寛はクールスに執拗以上に営業をかけてきた若手ディレクターである。
彼の意気込みときたら並々ならぬものがあった。「絶対クールスを世に出してやる」という意気込み。正直若いのに大したもんだと思っていた。
お膳立てが出来上がっていよいよ俺たちはメジャーデビューに向けた第一歩を踏み出すんだと思っていた。また緊張が緊張を呼んできた。
「これから矢沢さんが作曲した紫のハイウェイのボーカルをとる」と。
「ヨロシク」と矢沢永吉が正面を見据えて耳を澄ました。
アシスタントがマルチトラックを回した。
軽やかなリズムで紫のハイウェイが鳴り響いた。まだ、ボーカルが入ってない曲だけの状態だ。でも、流石矢沢永吉が作曲しただけある存在感のある楽曲だと思った。
矢沢永吉が体でリズムをとりながら言った。
「これさーコーラス入れたらいいと思うね。デュワ、デュワ、みたいなコーラスを入れるんだよ。そう思わないかい?」と。
それを聞いていたボスが「いいね」とすごんで見せた。
そのやり取りを聞いていた佐々木寛が・・・
「アルバムのオープニングと曲との間にバイクの音を入れようと思っているんです」と。
矢沢が「いいね~疾走感というか、ドライブ感が出るね。それいいよ」といいながら
体を前後に振りリズムをとっている。
プレイバックが終わり、マルチトラックが巻き戻された。
「じゃーボーカルとってみようか」佐々木の声に力が入った。
「ドキドキするな~」舘ひろしがタバコを吸いながらブースへ入って行った。
「ひろしちゃん、ロックンロールはノリだから」と矢沢がつぶやいた。
矢沢の方に振り返った舘ひろしが手で合図を送った。
舘ひろしがOKを出す。
「ジャー回します。紫のハイウェイテイク・ワン」
赤いレコーディングランプが光ってスピーカーから紫のハイウェイが流れた。
ということで、今回はクールスのメンバーが初めてレコードのレコーディングをしているところをお届けしました。
この切り抜きシーンの中でジョニー大倉さんと矢沢永吉さんとの関係が分かりましたね。
この時はまだ、二人の関係が自分たちに降りかかってくるとは舘ひろし、そしてクールスのメンバーは知る由もありませんでした。
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