今回ご紹介するのはクールス、副リーダーだった岩城滉一さんが
映画デビューを果たした「新幹線大爆破」についてお話しします。
この記事を見ると新幹線大爆破の制作秘話、そして岩城滉一と東映社長との
関係が分かると思います。
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新幹線大爆破に隠された制作秘話と岩城滉一と岡田茂との関係とは!
まずはキャスト紹介からです。
高倉健を筆頭に、丹波哲郎、北大路欣也、宇津井健、岩城滉一、千葉真一、田中邦衛、竜雷太、山本圭、志穂美悦子、多岐川裕美、小林稔侍、というそうそうたるメンバーです。
余談ですが岩城滉一さんと田中邦衛さんはのちに北の国からで共演を果たしています。
さて、この映画の見どころはというと、新幹線に爆弾を仕掛けたという犯人側の要求。
なんと、犯人側の主犯を高倉健さんが演じているところです。
キャストの中では一番の大御所、高倉健さん。当然、映画のシーンは犯人側を
描くシーンが多くなることは必死でした。映画が出来上がったのが全国で封切になる
なんと2日前というのだから驚きです。その原因は後程お話しするとして、
本作の撮影時間は152分だったのにもかかわらず、公開したのは52分カットした
100分の映像だけだったのです。「え!なぜ?」って思いませんか?
さて、ここから本題に入っていきましょう。
岡田茂が新幹線大爆破という大博打を打った理由とは
当時の映画製作費としては驚きの5億3000万円。
新幹線大爆破が制作された昭和50年からさかのぼること7年前の昭和43年。
そう、あの日本史上、最大の未解決事件となった「3億円強奪事件」が発生しています。
そして、くしくも昭和50年には時効が成立しているんですね。
なので、この制作費の5億3000万円の大きさがどのくらい大きいお金だったことか。
なぜ、こんなに莫大なお金が使われたかというと、当時は世界的にパニック映画が
大ヒットを飛ばしていたからなのです。
豪華客船を舞台にした『ポセイドン・アドベンチャー』、
巨大空港を舞台にした『大空港』、
超高層ビルの火災事故を描いた『タワーリング・インフェルノ』などが
大ヒットしていました。
そして、日本では東宝が大ヒットを飛ばした『日本沈没』が話題を
総なめにしていたのです。
このような状況から東映の社長、岡田茂は「社運」をかけて巨額な製作費をかけて、
賭けに打って出たというわけです。
岡田茂は「我が社でもパニック映画を作るぞ!」と奮い立ち、
タイトルは自分で決定。『新幹線大爆破』一切反対意見は聞かなかったそうです。
岡田茂が岩城滉一を抜擢した理由とは
さて、ここからがこの映画のエピソードが始まります。
それは、わがクールス副リーダー岩城滉一をキャスティングに使ったことです。
よっぽど岡田茂は岩城を気に入っていたのでしょう。なぜなら、登場するシーンは
たったワンシーンだけ。それも、時間にして10秒くらいでした。
しかし、高倉健や千葉真一、丹波哲郎などのビックネームに負けることなく
どうどうとテロップには岩城滉一と刻まれていたのでした。
ここで疑問が浮かぶのですが、たったちょいのまの出演に70万円の出演料って
すごいですよね。この出演料については岩城さん本人から生きたわけではなく、
ネット上に転がっていた情報なので、根拠はありませんが。。。
でも、岡田社長が「70万円やるから映画に出てみないか?」と岩城さんを抜擢。
岡田社長がどれだけ、岩木さんを気に入っていたのかが分かる出来事です。
これってすごくないですか?ということで、
岩城さんにとってはこの映画がデビュー作になったのは言うまでもありません。
社運をかけた新幹線大爆破の行方はいかに
さて、社運を賭けた「新幹線大爆破」の製作スタッフがまず最初に交渉に行ったのは
当時の国鉄でした。しかし、国鉄からは撮影協力は得られませんでした。
なぜなら、「安全をウリにしている新幹線のイメージがダウンしてしまう」と
猛反発されてしまったからです。しかし、社運を賭けた映画ですから
スタッフは粘り強く交渉を続けました。
それに負けた国鉄側は「せめてタイトルだけでもどうにかならないか?」と
妥協案を出してきました。しかし、東映岡田社長は自分が決めたタイトル
「新幹線大爆破」を断固として貫き通したのでした。
その結果、国鉄からの撮影協力は断念。
制作スタッフは途方に暮れてしまいました。なぜなら、新幹線を取り上げた映画なので
肝心要の新幹線の映像がなければはじまりませんから。
そこでスタッフはどうしたか?
国鉄から受注で実際に新幹線を作っていた会社から新幹線の部品を買い取り、新幹線を
美術部が撮影所内に新幹線を作り上げてしまったのです。そのうえ、
新幹線があまりにも巨大すぎで撮影所のスタジオを2つブチ抜いて作り上げたそうです。
東京駅の撮影では、本物そっくりのオープンセットで対応し、線路などの撮影などは
機材を隠し隠し撮りをするなどのゲリラ撮影で乗り切ったそうです。
しかし、電車なのどすれ違いのシーンなどでは対応できないため、特撮の大御所。
円谷プロにお願いしたそうです。そう、ウルトラマンやウルトラセブンを
世に出していた特撮のプロ集団ですよ。
しかし、ミニチュアと言っても12両編成の新幹線は12メートルにも及び、
それを走らせる線路の長さは300メートルもあったというのですから、すごい。
この特撮シーンで活躍したのが、当時「世界に数台しかない」と言われていたシュノーケル・カメラです。
それまでの大きなカメラでは入れなかったような狭い空間にもレンズが入るため、様々なアングルでの撮影が可能になったという。
ちなみに当時のシュノーケル・カメラは、まだCM以外にほとんど実績がなく、長編映画で使われたのは『新幹線大爆破』が初めてだったらしい
数年後に『スター・ウォーズ』でも使用されたのだった。
しかし、このシュノーケル・カメラのレンタル料が一日なんと100万円。
このカメラを1か月間借りたというのだから、カメラ代だけで3000万ですよ。
そして、これがすさまじい事実なのですが、国鉄との交渉が響き、クランクインになった
残り5週間あまりだったという。
まさに、不眠不休の撮影が続けられたという。
しかし、満を持して公開した新幹線大爆破。不発に終わってしまったのでした。
北海道などでは途中で上映を中止にしたほどでした。
興行収入はたった3億円で、社運を賭けた大プロジェクトは完全に失敗。
新幹線大爆破には秘められたパワーがあった
岡田社長はあきらめていなかった。日本でダメなら海外に持っていけと「激」が飛びます。
そして、アメリカやヨーロッパなど世界各国で予想外の大ヒット!中でもフランスでの
成績が凄まじく、同時期に公開された『タクシードライバー』に次ぐ
驚異的な大ヒットを記録したそうです。
実は海外で公開したバージョンは大幅な再編集が施されており、日本版が152分なのに対し、アメリカ版は115分、フランス版に至っては100分という短さ!なんと50分以上もカットされていたのです
日本では高倉健さんなどが犯人役をしているので、どうしても描写がそちらに傾いていたようです。それを海岸版ではバッサリとカット。
忖度なしの映画が出来上がったんでしょうね。
それにしても、岩城滉一さんのデビュー作になった新幹線大爆破。
すごいエピソードがあったんですね。
この映画をきっかけにして二本目の映画「暴走族」では千葉真一さんが主役のはずが
出来上がった映画は岩城滉一さんが主役になっていたのでした。
岡田社長は岩城滉一さんに目をかけていたのでしょう。
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